ひねりの利いたメビウスの輪でできているオムスビは文字通りメビウスの輪をひねってできている小銭入れです。この輪はトポロジー(位相幾何学)においてparadromic ringと呼ばれ研究されているものです。オムスビはupcycled productとして開発されたためその素材にはシートベルトを使用しています。シートベルトの幅や堅牢でありコシがあってシワができない性質などをあますことなく取り入れた作品になっています。最大の特徴は一見どうやって開けるのかわからないミニマリズムを極めたユニークなフォルムとその開閉方法、そして大きく変形してコインが取り出しやすくなる開口部にあります。
オムスビは一片の帯から出来ています。そんな一片の帯がメビウス化することによって、それ自体が蓋を内包する構造物になるという点こそが私が発見した驚きであり、またシンプルな原理のみで構成されるこの作品の面白味でもあります。オムスビの使い方はいたって簡単ですが、独特ですのではじめに少し練習をして慣れていただくとスムーズです。開けた時開口部が正しい舟形の形を維持するように、開いた方向へ(縦長の方向へ)そのまま軽くテンションをかける感じを意識して使っていただくことが使用上のポイントになります。
開口部を変形させて大きく開けばすべてのコインが良く見えて簡単に取り出せます。
図2のように保持すると、手前の空ポケットはコインを選んだりするのに利用できます。
ポケットや手に良くなじむおむすび型。
基本的な使い方を紹介しています。